EVとエンジン車を設定? 新型ジュリア
イタリアの自動車メーカーであるアルファ・ロメオは、2026年頃に新型「ジュリア・クアドリフォリオ」を投入する計画だ。最高出力は「約1000ps」とされ、高度なAIによりハンドリング特性を調整できるという。
【画像】華麗に舞い踊るイタリアン・スポーツセダン【アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオを写真で見る】 全26枚
ジュリアの次世代モデルは、親会社ステランティスの新プラットフォーム「STLAラージ」をベースに開発される。このプラットフォームは “BEVネイティブ” と言われているが、内燃エンジンやハイブリッド・パワートレインを搭載することも可能だ。
ステランティスはSTLAラージ採用車の性能ポテンシャルとして、0-100km/h加速を最短約2.0秒で達成できるとしている。最大118kWhのバッテリーを搭載し、航続距離は最長800kmを謳う。
アルファ・ロメオのジャン・フィリップ・インパラートCEOは以前、新型ジュリア・クアドリフォリオの最高出力は「約1000ps」になると語っていた。現行世代で最強のジュリアGTAmの540psを大きく上回る数値だ。
STLAラージ・プラットフォームを市販車で初めて採用したのが、3月に公開された新型ダッジ・チャージャー・デイトナだ。電気モーターを複数搭載し、エントリーモデルの「R/T」では最高出力496ps、最上級モデルの「スキャットパック」では670psを発生する。93.9kWhバッテリーは最大183kWの充電速度に対応し、20~80%を27分で充電できるという。
チャージャー・デイトナでは400Vの駆動システムを使用しているが、インパラートCEOは新型ジュリアに800Vシステムを採用すると述べている。これにより、20~80%の充電は「18分以内」で完了するとのことだ。
アルファ・ロメオは2027年に販売台数の100%をゼロ・エミッション車とする計画だが、排ガス規制ユーロ7が緩和されるため、新型ジュリアにも内燃エンジンが搭載される可能性はある。
昨年9月、製品責任者のダニエル・グッツァファメ氏は、アルファ・ロメオのEV移行は法律次第だと語っていた。
また、インパラートCEOは、法律が許せば内燃エンジン車を長期間販売することにも前向きであるとした。2.9L V6ツインターボも生産継続の意向を示唆している。
実際、チャージャー・デイトナには3.0L直6ツインターボ仕様も設定されている。
高性能AI搭載、だがデジタル中心ではない
いずれにせよ、新型ジュリアは新しい高性能コンピューターによってダイナミクスを最大限に引き出すと言われている。このコンピューターは「STLAブレイン」と呼ばれ、人工知能(AI)を使ってドライバーの好みに合わせてハンドリング特性を微調整することができる。
ソフトウェアの無線アップデートにより、車両出荷後も出力、航続距離、充電速度の改善にも期待が持てる。車内体験にも変化をもたらすだろうが、インパラートCEOはデジタル技術でドイツ車と張り合う気はないと述べている。
「アルファ・ロメオのお客様は幅1.0mのインフォテインメント・スクリーンを求めているわけでも、200種類ものデジタル機能を求めているわけでもありません」
例えば、キャノッキアーレ(cannocchiale、伸縮式)のインストゥルメントパネルを採用し、車両コンディションに関する重要な情報を表示するというアイデアがある。
なお、エンジンの排気音を再現した合成サウンドは採用される見込みがない。「フェイクノイズは絶対にありえないが、EVで振動を再現することはあるかもしれない」とインパラートCEOは述べ、擬似的な “変速ショック” ギミック採用の可能性を示唆した。
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